機体のアップデートをおこない
2018シーズン第2戦に臨んだTeam FALKEN(室屋)。
新パーツが順調に機能し、大会期間を通じて安定したフライトを行うが、
予想外の風をかわし切れず、惜しくも4位。
4月21日(土)・22日(日)フランスでは初の開催となるレッドブル・エアレース・ワールドチャンピオンシップ2018 第2戦がカンヌにて行われた。
昨年のワールドチャンピオン獲得は既に過去の事とし、気持ちを新たに2018シーズンに臨んでいるTeam FALKENは、2月におこなわれたアブダビ大会後の約2か月半を活用し機体の改造をおこなっていた。アブダビ大会直後の2週間、更にはカンヌ大会直前の3週間、フランス国内で機体改造のためのキャンプを行い、新たに設計したエンジンカウリング、そしてウイングチップが今大会から実装・投入された。
カンヌ大会のレースコースは一見シンプルではあるが、飛行のラインどりでタイムに差が付きやすいレイアウトになっている。予選前日に行われた2回のフリープラクティスでは、テンポを保ったフライトで58.150秒で2位、58.371秒で3位。
予選日におこなわれた3回目のフリープラクティスでも58.827秒と変わらず58秒台を記録し9位。安定したフライトを見せた。
迎えた予選、フリープラクティスではほとんど出なかった57秒台を記録する選手が続出。1回目の予選フライトでペナルティを取られたため、2回目は慎重にフライトをした室屋も、これまでの記録を1秒近く縮め57.456秒でフィニッシュし6位で予選を終えた。57秒台前半に6名のパイロットがひしめく僅差の戦いだった。
大接戦が予想される決勝当日。Round of 14ではピート・マクロード選手(カナダ)と対戦。図らずもアブダビ大会の同ラウンドと同じ展開になったが、58.015秒(ノーペナルティ)で室屋が勝利。フライトを終えて「良いフライトだったが、Round of 8、Final 4では更にタイムを縮めていきたい」と話した。
Round of 8では開催国の選手ミカエル・ブラジョー(フランス)との対戦。多くの応援を受けて先攻でフライトするミカに1秒以上の差をつける57.374秒でゴールして室屋が勝利。
続けておこなわれたFinal 4に勝ち上がったのは、初戦で優勝したマイケル・グーリアン選手(米国)の他、マット・ホール選手(オーストラリア)、マティアス・ドルダラー選手(ドイツ)。これまで安定してフライトを重ねてきた室屋だったが、バーティカルターンを行うゲート付近で吹く風が行く手を阻んだ。風をかわす操縦でタイムロスが発生し、パイロンヒットを回避する操縦をおこなったところ、インコレクトレベルの判定によりペナルティ2秒が加算される結果に。1:00.261秒で惜しくも4位となったが、ワールドチャンピオンシップポイント7ptを獲得し、年間ランキングは3位。
室屋はレースを振り返り「開幕戦に続きファイナル4に進出できたのは良かったと思います。ファイナル4は風向きが少し違いました。表彰台を逃してしまったのは残念ですが、チャンピオンシップでの(トップとの)5ポイント差はゼロに等しいので、次の千葉で総合首位に立ちたいと思います。千葉大会はホームレースなので、機体を早めに用意して、新しいパーツのテストを重ねることができます。千葉大会は最高のレースになると思います」と次戦への意気込みを語った。
コンスタントな勝利で連覇を狙う今シーズン、次戦までの約1ヶ月で更なる検証・研究を重ねて機体のセッティングを熟成させ、母国戦・千葉大会に臨む。
Red Bull Air Race World Championship 2018 第2戦 カンヌ大会 決勝レポート(公式サイト)
http://airrace.redbull.com/ja_JP/article/di-2zhan-kannurace-reportbiao-zhang-tai-hatao-sitamononoci-zhan-henozhan-wang-haliang-hao